わが子が小さいと感じたら
子どもの身長をもっと高くしたい...と願っているご両親は多いのですが、身長を伸ばすためには具体的にどうすればよいのだろうか? 意外と正しい知識を持っている方は、少ないのではないかと思います。「牛乳を飲めば、大きくなる」、「牛乳と煮干がいい」さらには、「今は 背が簡単に伸ばせる注射があるらしい」、「ぶら下がり器にぶらさがれば、大きくばれる」など、いい加減な知識を持っている方が非常に多いようです。
勿論、これらはみんな間違いです。そして「親が小さいから、子どもも小さくて当然」という考えも捨てて下さい。まずは、親が子どもの身長をキチンと チェックすることから初めましょう。その結果、平均よりもかなり低いとわかったら、放置せずに、専門医に毎年、背の伸び方を追跡してもらうようにしましょう。
子どもの身長を専門的に研究する小児内分泌の分野は、近年、めまぐるしい進化を遂げています。 さらに、整形外科的に脚を伸ばす「脚延長術」という手術も注目されています。最新の医学情報を知るということは、 身長に対する正しい知識を身につけることにもなります。もし、お子さんが検査、治療の対象となったときには、不安をとく材料にもなるでしょう。
お子さんの低身長に気づいたら・・将来のことを考えて、まずは専門医に相談しましょう。
身長が伸びるということは、骨が伸びるということ
人体は、200個近い骨で構成されています。身長の高さに大きく関係しているのは、下肢(足)の骨(大腿骨、脛骨、誹骨)と背骨(頸椎、胸椎、腰椎)です。 身長増加にもっとも重要なものは成長ホルモンですが、実際に骨端線の部分に働くのは、"ソマトメジンC"と呼ばれるホルモンです。成長ホルモンの 助けを借りて、主として肝臓でつくられます。成長ホルモンが十分にあっても、肝臓が悪かったり、栄養が不足していると、ソマトメジンCが十分に つくられないために身長は伸びません。成長をつかさどるホルモンは、成長ホルモンのみではありません。特に乳幼児期の身体増加には、甲状腺ホルモン が重大な役割を果たしています。また、思春期の身長増加には、性ホルモンが大きく関わっています。また成長ホルモンが十分に分泌されていても、栄養に問題があると身長は伸びません。 また、運動による刺激もある程度ないと、せっかく身長が伸びても骨折しやすい弱い骨になってしまいます。骨の発育を、建物の建築に例えると、ホルモンは釘や接着剤にすぎず、 たんぱく質やカルシウムは鉄筋や材木にあたります。釘や接着剤があっても鉄筋や材木がないと、建物はできあがりません。身長は足りないものがあると伸びなくなり、それを補うと伸びが良くなります。 成長ホルモンが不足しているお子さんに成長ホルモンを補えば、伸びは改善しますが、栄養ホルモンが不足しているお子さんには、いくら成長ホルモンを補っても伸びは改善されません。
寝る子は育つはホント?「骨休め」は重要なキーワード
どうして寝る子は育つの? 実は、一生の中でいちばん身長が伸びるのは、生まれてから一歳までです。生まれた時は平均で50センチメートルだった赤ちゃんが、一年後には平均で 25センチメートル伸びて75センチメートルになるのですから、これは驚異的な伸びです。 誰もがこの理由は、「赤ちゃんは特別に成長ホルモンが爆発的にでるから」と考えるでしょうが、 実はそうではないことが分かってきました。 乳幼児には成長ホルモンだけで片づけられない成長の伸びがありますが、ひとつの大きな要素は「睡眠」です。子どもの成長ににとって重要な成長ホルモンは、 起きている時よりも寝ているときの方が多く分泌されることが科学的に立証されています。立っているだけで上半身の体重がズッシリと下肢の骨に乗りかかってきます。出来る限り横になって、下肢を縦方向の重力から開放し、 「骨休め」をするだけでも、成長ホルモンがより多く分泌されるのです。あと成長に欠かせないのは、やはり「栄養」です。栄養吸収が悪いと、それだけ成長も鈍化します。栄養もインスリン様成長因子-Iの生成に大きく寄与しているからです。 実際、食の細い子を調査すると、成長ホルモンが正常であってもインスリン様成長因-Iの血液中の値が低いことが多いのです。これはかなり確実なデータで、食が細いために乳幼児の身長の伸びが悪く、それが最後まで尾を引いて 成長ホルモンには問題がないのに、低身長に終わっているという例は少なくありません。